外国人との離婚を考える場合、最初に考えなければならない点は、日本で離婚手続きを進めていけるか、という点です。
あなたが日本人であろうと、外国人であろうと、相手の住所が日本にあれば、日本で離婚手続きを進めることができます。
離婚の国際裁判管轄権については、明文の規定がないのですが、最高裁判例において、日本に国際離婚裁判権が認められるためには、被告の住所が日本にあることを原則とする、としています。
では、相手が日本にいない場合には、日本で全く離婚手続きを進めることができないのでしょうか。
この点についても最高裁判例があり、
①相手から遺棄された場合、②相手が行方不明の場合、③その他これに準ずる場合には、原告の住所地の管轄を認めるとされています。
「その他これに準ずる場合」とは被告が応訴した場合やそもそも相手の住んでいる外国で婚姻自体が成立しておらず、離婚手続きができない場合などが考えられます。
もっとも、どのような場合に相手から「遺棄」されたか判断は難しいでしょう。
したがって、たとえば相手が突然自国に戻ってしまい、どこにいるかわかってはいるが、しばらく生活費を送ってこない、といった場合には、だめもとと思い、日本の裁判所に離婚裁判を提起してみることをお勧めします。
相手方が外国にいる場合、訴状の送達の仕方が問題となります。
この点については、領事館を通しての送達が原則ですが、裁判所ごとに異なる扱いもありえますので、訴状を提出した裁判所の書記官と相談するか、書記官の指示に従って下さい。
ところで、日本の裁判所で日本法を適用して裁判するとなった場合、調停前置主義の原則から、調停の申立が必要となるのではないか、という疑問がわいたと思います。
この点、家事審判法18条2項は、「調停の申立をすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、その事件を家庭裁判所の調停に付さなければならない」としつつも、同項の但書においは、「裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない」と規定しています。
すなわち、絶対にまず調停を申立てなければならにわけではなく、いきなり訴訟を提起しても、裁判所が調停にせずにすぐに裁判手続きを進めてくれる場合もある、ということなのです。
相手が外国にいる場合には、そもそも調停を申立てても相手が調停に応ずる可能性は少ない、ということを裁判所に説明し、直ちに訴訟を提起するとよいでしょう。